対中圧力でハイテク関税発動か 米中貿易協議平行線で米「次の段階」へ 

 【ワシントン=塩原永久】米ホワイトハウスは4日、中国との貿易協議が平行線に終わったことを受け、米政権が「次の段階」の対応策を検討するとの声明を発表した。米中は協議の継続で合意したが、米側が求める貿易赤字の是正や知的財産保護などをめぐり、両国の溝の深さが浮き彫りになった。米国は関税や投資規制などを組み合わせ、対中圧力を強めるとみられる。

 トランプ米大統領は4日、北京で中国政府との貿易協議を終えて帰国した米交渉団と5日に会う意向を短文投稿サイト「ツイッター」で明らかにした。交渉団の報告を基に今後の対中政策を検討する。トランプ氏はツイッターで「中国は甘やかされてきた」と不満を表明。米中が互いに要求項目を提示しただけに終わった今回の協議を受け、トランプ氏が中国に攻勢をかけるとの見方も出ている。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)の中国専門家、ケネディ氏は、中国が米政府の要求に大きく譲歩しなければ「トランプ政権が全面的な貿易戦争に躊(ちゅう)躇(ちょ)なく乗り出す構えであるのは明らかだ」と指摘する。米側は中国のハイテク育成策「中国製造2025」の是正をはじめ、高水準の要求を提示。ケネディ氏は「特定製品の対中輸出が増える程度の(中国側の)譲歩では、米政権が容認しないだろう」と分析する。

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